SLR1さんとボーラウルトラ35チューブラーさん

お客さんから GIANTのSLR1の後輪をお預かりしました。
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アウター×トップなどで踏み込んだときに
鏈條が前に滑るということです。
この症状の最もポピュラーな要因は
歯先が減りまくっているスプロケットに対して
新品の鏈條を入れた場合ですが、
その場合はトップギヤというより
平地の常用ギヤとして
よく使っていた歯数でのみ起こります。
お客さんのほうでも それは知っているので
鏈條とスプロケットを新品に交換したうえで解決しないことと
この後輪を別のフレームに装着しても
まだ発生するという検証は済ませています。
あと もうひとつ確かなこととして、
地元のショップ(四国)では解決できなかったということですね。

最初に電話でホイールのブランドを訊いたときに、
DT製のハブで スターラチェットではなく
3つ爪ポールスプリングのものであれば
それの磨耗が原因である可能性が高いし
交換も可能だと お伝えしました。

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というわけで フリーボディを抜いてみると
やはり3つ爪ポールスプリング式でした。

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フリーボディの爪のほうは 目立った磨耗痕はありません。
爪の先が白いのは光の加減です。

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↑このハブ体側に ねじ込まれているラチェットの山ですが、
DTでは フリーボディ+右側ポン当てエンドのセットのことを
「ローターキット」という独自の呼び名で呼んでいるように
このラチェットの山のパーツのことを「リングナット」と呼んでいます。
このリングナット、スターラチェット用のものと
互換性(ねじ山径34mm)があるので、
それを交換することで このハブを
スターラチェット化させることも可能です。

このラチェットの山のパーツを交換できるのは
DT以外だと カンパニョーロ(フルクラム)がありますが、
カンパニョーロはサービスセンターにしかない
門外不出の工具による対応ということなので
サーセンw送りとなります。
DTは工具が売られているので
ショップ(お客さんの地元のショップは除く)または
個人での交換が可能です。
詳しくは(→こちら

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工具をかけました。
このリングナット、とくに経年使用された後輪だと
とんでもなく締まっていることが多く、
工具のほうはモンキーレンチまたはバイス対応の
四角のつかみしろのみで ソケットレンチ非対応なので
モンキーレンチの柄をブレーカーバーよろしく
延長する必要があります。

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初動ゆるみを得られましたので

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以降は 工具を手で持って するするとゆるめられます。

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リングナットを外しました。

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↑外したリングナット

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↑新品のリングナット
右側の白く見える部分は光の加減です。

このリングナット、スターラチェット用のものを含めても
非常に良心的な価格です。
フリーボディ側の爪については、フリーボディ全体の交換ではなく
「爪3つ+爪起こしバネ+グリス
(スターラチェットと違い専用グリスというわけではない)」
のサービスキットが これまた良心的な価格で販売されています。
今回の件、フリーボディの爪側も交換しようと思いましたが
経験上 リングナット側の交換だけでいけそうだと判断したのと、
リングナットの交換は 工具の所有必須で 作業もコツが要りますが
爪とバネの交換はお客さんのほうでも容易に出来るので
まずはリングナットの交換だけで
様子を見てもらうことにしました。

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スターラチェット用のリングナットですが、
ハブ体側にヌスミ寸法があり
そこにワッシャーを収めるようになっています。
ワッシャーの外径は モデルによって26mmと28mmがありますが、
内径は いずれも20mmです。
ワッシャーの外径違いのため
スターラチェット用のリングナットは2種類あります。

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これは先ほどのリンク先の記事の画像ですが、
リングナットの着脱工具で 左がポールスプリング用、
右がスターラチェット用です。
この端にある丸い部分がワッシャーを中央にセットするガイドです。
ポールスプリング用の工具だと不要なものですが
なぜか付いています。見なかったことにしましょう。

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↑これが、ここまでの話に出てきた
DTのスペアパーツの価格一覧(税込)です。
非常に良心的な価格ですが、
真に良心的なのは そもそも交換対応のパーツを
出してくれているということです。





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あっ ごめん、さっきのは2021/2022年の価格やったわ。

2023年からは値上げをしています。
フリーボディことローターキットが
税別100円の値上げにとどまっているのは
これのみ同じものではなく 仕上げとスプラインにある印字と
品番が違う別物だからです。

ちなみに、上の図で書いていないスターラチェット用の
「面ラチェット2枚+バネ(1または2個)+専用グリス」こと
サービスキットの2023年度の税込価格ですが、
バネ2個で両押し式の旧スターラチェットで
面ラチェットの山の数が
24山のものが15400円、36山のものが20900円、
54山のものが23100円となっており、
バネ1個で片押し式の新スターラチェットで
19030円となっています。
それが 3つ爪ポールスプリング式だと1980円なので
余計に良心的に見えます。

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フリーボディの滑りとは別に、この後輪がヌルいから
何とかして欲しいとも言われていましたが
スポークの番手を変えて組み直さない限り無理なので
今回は点検だけに とどめておきます。

元の仕様から張ったところで 大して化けない、
それで化けるなら そもそもメーカーが最初から
張ってるわい、という 完組みホイールに対する
いつもの話とは別に、このホイールの吊るしの仕様は
そもそも過度に張れません。
それについては別記事にします。

(たぶんシーラント入りの)チューブレスタイヤを
装着したままで お預かりしていますが、
振れてませんと言えない程度には振れており、
内蔵ニップル仕様なので 振れ取り調整には
タイヤだけでなく チューブレステープまで剥がす必要があります。

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チューブレスタイヤに空気を入れていない状態で
リムが かなり右にずれています。
上の画像のセンターゲージはパークツールの
「Wheel Alignment Guageの4番目に出たもの」こと
WAG-4で、タイヤを装着したままでも
ホイールセンターを見ることが出来るものですが
ホーザンのものより許容度が高く
ホーザンで紙1枚のずれだと判定される量を見れないので
あまり使いません。

振れだけだと「チューブレステープを剥がすほどでもないし
まあいいか」と ギリギリ言えなくもないですが
これは完全にNGです。

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マヴィックやGIANTのホイールに貼ってある
エフェットマリポサのものっぽい(でも 違うかも)
カブトムシ色(→こちら)のリムテープですが、
貼り終わりから ある程度の長さまで
シーラントが浸入している状態のものを よく見かけます。
というか ほとんどそうなっています。

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↑こんな感じ
このテープ、リムに対する糊残りがエゲツナイので嫌いです。
完組みホイールに初めから貼られているものは
避けようが無いのですが。

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タイヤを外して ホーザンのセンターゲージを当てました。
当てた位相は 先ほどのWAG-4とは違う可能性大です。

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メーカーの吊るしの状態っぽいリムテープの様子を見る限り
このホイールは 買ってから一度も振れ取り調整を
していないと思われますが、目立つ縦振れがありました。
ほとんどの位相で リムとゲージが これくらい空くのに

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1ヵ所 ガシュッとゲージに擦る位相があります。
このあたりのニップルを増し締めしましたが、
なかなかリムが内側に引っ込んでくれません。
ああ・・・これは・・・。(次の記事で書きます)

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ホイール単体でのセンターを出しました。
タイヤ装着+加圧後に調整ができないのと
今後の経年使用を考えて 左側に紙1~2枚くらい
ずらしても良かったのですが、
今回は こういう対応にしておきます。

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スタンズのチューブレステープを貼り、

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なるべく こぼさないようにしておいた
シーラント入りのタイヤを装着して

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空気を入れると わりと軽くビードが上がりました。
その時点だと バルブ付近でシューッと小さな音がしていましたが
その位相を下にしてホイールを左右に振ると音が治まり、
この作業は昨日したものですが 一晩経った現在でも
空気が抜けている気配が無いので まず問題ないと思います。
気になるなら シーラントを足してください。

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ホイールが2本入る箱で 空気を送るくらいならと
GIANTのホイールのついでに送るホイールとして
選ばれたのが このボーラウルトラ35の
チューブラータイヤ付きの後輪です。
左右ともに、こっぴどくはないものの見て分かる程度に
横振れがありました。

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ハブの回転は濁っておらず、こなれたCULTの感触に
フリーボディのベアリングが傷んだ感触が混ざってもいません。
右エンドナットは 手では ゆるみませんでした。
ハブは問題無しです。

暫定センターは見ていませんが、経年使用もあるので
反フリー側増し締め偏重で振れ取りをするものの
左右ともに 小さな振れが散見され
フリー側も そこそこ増し締めせざるを得ませんでした。
あと、G3の束の間の 大お休み位相のうちのひとつに
取り切れない横振れがありましたが どーしようもありません。
一応、ブレーキングで分からないくらいには
小さくできたと思いますが。

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横振れを追い込みきってから
初めてセンターゲージを当てました。
チューブラータイヤが付いたままなので WAG-4です。
フリー側で採った寸法を 反フリー側で当てると・・・

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ええい!撮りにくい!
デジカメが WAG-4にも反フリー側の張り出した
スポークにも当たらず 真横から撮れる位置が
かなり限定されます。

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こいつの測定子、面接触ではなく
角を そっと当てる 点接触なんですよね。
これでもホーザンのセンターゲージ的には
紙1枚ずれている判定される場合がありますが
チューブラータイヤを剥がしてまで
詰めるほどではないと思うので
今回は これで終わりにしておきます。

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